
半年前に問い合わせてきたお客様が、今どうなっているかを言えるでしょうか。
「去年の見学会に来られた方、そのあとどうなりました」
「連絡先は残っているはずなんですが、何を話したかまでは……」
こうしたやり取りが起きている工務店は少なくありません。注文住宅の検討期間は半年から数年に及びます。その間に必ず空白の期間ができ、そこで記憶が薄れたり顧客の状況がわからなくなり、次にどのようにコンタクトすべきかがわからなくなってしまいます。
工務店の住宅営業を支えるのは、接触の回数そのものではありません。間が空いてもスムーズなコミュニケーションを再開できる状態を保っておけるかどうかです。そしてそれは、受注したあとのOB顧客に対しても同じことが言えるのです。
見込み顧客とOB顧客を落とさないために何を残すべきか、営業アプリはどのタイプを選べばよいのか、費用はどのくらいかかるのかを、順を追って解説していきます。
>> 訪問営業に特化したマップアプリFuroshiki(フロシキ)について詳しく知る
まず最初にどのようなアプリがあるのか、全体像を見た上で、選定するポイントについて解説していきたいと思います。
工務店が検討対象にするツールは、大きく4つのタイプに分かれます。得意な領域がそれぞれ違うため、自社の課題に近いところから見にいくと遠回りせずに済みます。
タイプ | 得意な領域 | 代表的なサービス | 料金の公開状況 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|---|
A 訪問・エリアマップ系 | 見込み客とOB客の地図管理、訪問記録、エリアの可視化 | Furoshiki、cyzen、upward | Furoshikiは月額3,000円/アカウント〜 | OB客が増えてきた会社、見学会の集客に力を入れる会社 |
B 工務店向け顧客管理・CRM系 | 問い合わせからアフターまでの顧客情報の一元管理、ポータル連携 | マイホムビズ、パティオ、売り上げマネージャーOasis | 要問い合わせ | 反響の件数が多く、追客の抜けを防ぎたい会社 |
C 建築業向け業務一元型 | 顧客管理に加えて見積・原価・工程まで通して管理 | アイピア、サクミル、ANDPAD | サクミルは月額9,800円・初期費用0円(30アカウント込み)。ほかは要問い合わせ | 見積と原価の管理もまとめて整えたい会社 |
D エクセル+Googleマップの手動運用 | 追加費用なしで始められる | 既存手段 | 無料 | まず現状を整理したい段階の会社 |
料金は各社の公開情報を確認できた範囲で記載しています。ご覧のとおり公開していないサービスが大半です。多くのサービスは利用アカウント数やカスタマイズの範囲によって見積もりが変わります。最新の料金やサービス内容は、公式サイトで最新の条件をご確認ください。

タイプA・マップ系は地図をベースに顧客管理を行うことができます。地図上で物件に情報を紐づけることができ、外回りをする営業担当者にとっても扱いやすい点が特徴です。
タイプB・CRM系とタイプC・業務一元型は重なる部分がありますが、顧客管理を軸に選ぶならB、見積や原価まで含めて整えたいならCとなります。すでに見積ソフトを使っている場合は、タイプCでは機能が重複する可能性があるため、既存のツールとの使い分けを先に確認しておくことをおすすめします。
タイプDのエクセル・Googleマップの運用は、無料で始められる反面、顧客が増えるほど煩雑になり管理が難しくなるという側面があります。エクセルの行数が増え、Googleマップのピンが管理しきれなくなり、更新されないまま放置された結果、他の有償ツールを探し始めるというケースもよく見られます。
関連記事:
【外回り・訪問営業を効率化】営業管理におすすめのツール・アプリ10選!利用料や使いやすさ、機能の充実度など徹底比較
上記のようなアプリがある中で、自社にあった営業管理や顧客管理を選ぶことが重要になります。一方で、皆様の中には他業種の営業手法をそのまま持ち込んでうまくいかなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。工務店の営業には、ツールやアプリの選び方まで左右する3つの特徴があります。
ひとつ目は、受注までの商談期間が長いことです。 多くの方にとって一生に一度、そして数千万円の買い物を即日で決められる人はまずいません。そして多くの方は後悔しないためにも、比較をしながら検討を進めていきます。信頼できる業者をいくつか選定し、半年から数年をかけて、土地を探し、資金計画を立て、他社と比べながらプランを固めていきます。営業の役目は、その長い期間のあいだ関係を切らさず、そして信頼を構築していくことになります。
ふたつ目は、母数が少ないために1件のインパクトが大きいことです。 年間の受注が10棟から30棟という規模の会社も少なくありません。母数が少ないということは、1件の取りこぼしが与える影響が大きいということです。数を追って歩留まりでカバーする発想が、そもそも成立しにくい構造なのです。
三つ目は、商圏が限られていることです。 施工には現場管理が伴うため、事務所から車で1時間圏内といった形で施工エリアが決まります。エリアの外から反響が来ても、受注できたところで移動と現場管理のコストで利益が残りません。どこまで追うかの線引きが、そのまま利益に跳ね返ってきます。

この3つを踏まえると、工務店の住宅営業に必要なツール・アプリの機能が見えてきます。案件をどんどん前に進めるのではなく、受注までの長い商談期間を通じて顧客とのコンタクト履歴や聞き取れた情報を蓄積し、顧客との信頼関係構築を実現するためのツールです。一般的な営業支援システムは商談を段階的に進める設計になっていますが、工務店における住宅営業で求められるものは少し違うところにあります。

受注までの長い検討期間のなかで、見込み顧客はどこで離れていってしまうのでしょうか。営業ツールやアプリを導入することで、このタイミングを捉え、必要な施策を講じる必要があります。
失注の理由は「他社に決まったから」というわかりやすい理由で片づけられがちですが、実際にはその手前に分岐点があると考える必要があります。
初回面談後の空白期間。 見学会や問い合わせで初回の面談をしたあと、次の接点まで数ヶ月空いてしまうことも多く、また場合によってそのまま関係が終わってしまうこともあります。
ここで連絡が途切れると、お客様の中で会社の印象は薄れていきます。担当者も、曖昧な記憶を元に連絡することになり、当たり障りのない内容になってしまいます。
土地探し。 土地から探すお客様の場合、土地が決まらない限り話が前に進みません。ここで放置してしまうと、土地を紹介してくれた不動産会社の提携先に流れていきます。土地の条件を把握したうえで、動きがあったときにすぐ声をかけられるか、継続的な提案を重ねながら顧客の状況も常にアップデートして把握しておけるかが分かれ目になります。
他社との比較検討。 相見積もりの段階では、価格だけでなく「この会社はこちらを理解してくれている」という感覚の積み重ねが信頼へとつながっていきます。過去に話した内容を踏まえているか、顧客の言語化されていない好みや価値観を捉えた提案ができるかどうかが、ここで選ばれるかの分かれ目になります。
これらの3つのタイミングで共通して重要なのは、顧客情報に基づいたコミュニケーションです。工務店の営業では、顧客情報をいかに積み重ねていけるかがポイントになります。そしてその中身が他業種とは少し異なるのです。
みなさまの顧客管理には、どのような情報が記録されているでしょうか。氏名、連絡先、問い合わせ日、対応履歴。これらももちろん重要ですが、それだけでは十分ではありません。
注文住宅の営業では、お客様の好みや価値観そのものが、最も大事な提案の材料になるからです。電気やガス、通信回線であれば記録すべきは契約内容や使用量といった事実ですが、工務店が扱っているのは、そのご家族がこれからどう暮らすかという話です。
具体的なポイント例をいくつか以下にまとめて見ました。
項目 | お客様の言葉 | 次の提案にどう効くか |
|---|---|---|
家族のこれから | 「数年後には子供部屋を作りたい」「実家が近いので、いずれ母を呼ぶかもしれません」 | 間取りの前提そのものが変わる |
好みと、避けたいもの | 「木の質感は残したいのですが、和風になりすぎるのは避けたくて」 | 積み重なるほど提案が外れなくなる |
暮らし方の希望 | 「キッチンから子どもの様子が見えるようにしたいんです」 | 図面を引く前に押さえないと手戻りになる |
予算の見方 | 「月々は今の家賃と同じくらいに収めたくて」 | 総額か返済額かを取り違えると噛み合わない |
誰が決めるのか | 「主人は性能を重視していますが、私は動線が気になっていて」 | 誰に何を伝えるかが変わる |
迷っている理由 | 「土地は気に入っているのですが、通学路が少し心配で」 | 次に何を用意すべきかが決まる |
真ん中の列を眺めていただくとわかるとおり、いずれもこちらから質問して引き出したというより、お客様との会話の中でふと出てくる言葉です。ヒアリングシートにそのまま項目としてあるものではありませんが、だからこそ記録として残しておかないと曖昧になり、気づけば忘れてしまったり少しずれた形で記憶してしまうことになります。
関連記事はこちら 営業の属人化を防ぐ、5つの方法|現場で効く打ち手と自社に合わせた選び方
工務店にとってOB顧客がどれほど大きな存在かは、みなさまが最もよくご存じかと思います。ただ一方で、属人化してしまったり、その場その場での思いつきの対応になっていたり、体系的に取り組めている会社は多くありません。
顧客との関係は物件の引き渡しで終わりになるわけではありません。定期点検があり、不具合の相談があり、10年、15年と経つうちに外壁や屋根、水回りの改修という次の受注が生まれます。住宅は信頼が重視される商材であり、その家のことを一番理解している実際に建てた工務店こそが最も頼られる存在なのです。OB顧客との信頼関係は、まさしく会社にとっての資産なのです。
そして問題なのは、多くの会社がこの資産であるOB顧客の管理を十分にできていないという点です。台帳やエクセルは存在しているのかもしれませんが、実際にOB顧客へコンタクトを取るとなった際に、すぐにその顧客の物件情報、そしてその顧客の好みや価値観などの情報を取り出すことができるでしょうか。
OB顧客との接点は、おおむね次の4つに整理できます。
OB客との接点 | いつ発生するか | 地図管理のポイント |
|---|---|---|
定期点検 | 引き渡しから1年、5年、10年の節目 | 1日に回れる件数が変わる |
メンテナンス・リフォームの提案 | 築年数に応じて提案の時期が来る | 同じ時期に建てたお宅は近隣にまとまりやすい |
紹介の依頼 | 決まった時期はなく、訪問のついで | 声をかける相手がエリア単位で見えてくる |
完成見学会の案内 | 近くで新しい現場が始まったとき | 現場の周辺にお住まいの方から声をかけられる |
見込み顧客の見学依頼 | 近隣エリアで検討する見込み顧客が発生した時 | 見学をお願いしたい先の候補をすぐにピックアップできる |
これらの接点は、OB顧客を地図上にマッピングしておくことで効率的に、漏れなく把握することができます。また単なる名簿リストでは見えなかった打ち手が、地図にすると見えてくることがあります。
特に近隣エリアで新たに購入を検討している見込み顧客の見学依頼をお願いするといった動きは、見込み顧客・OB顧客双方にとって関係を深めることができますが、実践できている工務店は多くはありません。
見込み顧客にとってはその工務店がどういった住宅を立てているかを知ることができ、またエリア情報や住んだ上での印象などOB顧客の生の声を聞くことができます。担当者にとってもOB顧客の生の声は、そのまま今後の関係構築や提案につながっていくのです。
関連記事:
【訪問営業地図アプリ】訪問営業を効率化する地図アプリの選び方と活用法
では、実際にアプリを選ぶ際は何を見ればよいのでしょうか。上記で見てきたような工務店の前提を踏まえると、必要な要件は4つに絞ることができます。
問い合わせ段階の方、商談中の方、契約済みの方、引き渡し後のOB顧客。フェーズや担当部署が違うからといって別々の台帳で管理をしてしまうと、全体像が見えにくくなります。同じ顧客が段階を進んでいくだけだと捉え、顧客分類は行いつつも、同じひとつの場所で管理できる方が効果的、効率的な行動に繋げやすくなります。
いつ誰が何を話したかに加えて、先ほど挙げた顧客の好みや価値観までを残せるかどうかが重要なポイントです。必要な情報を選択式などで構造的に貯めること、そして自由に書けるメモ欄と写真があれば、打ち合わせで出た要望、現地で撮った土地の様子なども、その顧客に紐づけておくことができます。
エリアは自社にとっても顧客にとっても重要なポイントのはずですが、意外と軽視されがちです。そのエリアでどのような実績があるのか、検討しているエリアで見学できるOB顧客の物件はないか、エリアの子育て情報など話を聞けるOB顧客はいないか。これらは見込み顧客にとっては何より信頼できる情報になるはずですが、こういった機会を提供できている工務店はまだまだ少ないのが実情です。地図上でこういった情報を一目で判別することで、OB顧客は見込み顧客からの信頼を得るための大きな資産へと変わっていきます。
入力や運用に手間のかかる仕組みは、定着しにくくいずれ形骸化してしまいます。現場にとって負荷が少なく、そして入力したメリットが自分たちにもわかりやすく感じられるツールやアプリである必要があります。
>> 訪問営業に特化したマップアプリFuroshiki(フロシキ)について詳しく知る
工務店の営業アプリを選ぶうえで出発点になるのは、この業態における3つの特徴です。受注までの商談期間が長い、母数が少なく1件の取りこぼしが重いこと、そして商圏が限られていること。この3つがあるために、必要なのは案件を前に進める道具ではなく、長い期間のあいだ落とさないための道具になります。
また残すべき顧客情報は、氏名や対応履歴といった事実だけではありません。好きなテイスト、暮らし方の希望、予算の考え方、誰が判断するのか。こうした好みや価値観の蓄積こそが、顧客との信頼関係を築きあげ、他社との比較検討の局面で効いてきます。
そしてOB顧客との関係は、引き渡しでは終わりません。定期点検、メンテナンスやリフォームなど将来の見込み顧客になり、そしてこれからの見込み顧客との関係を築くための大きな資産になっていきます。
新規の見込み客とOB顧客を名簿リストではなく地図に紐付けて持つことで効果的かつ効率的な打ち手が見えるようになります。同じ地図上に置いておけば、新規開拓と継続的な接点を、地理的に無駄なく組み合わせて回していくことができます。
Furoshikiは、訪問先を地図上のピンとして扱い、誰がどこにいつ行ったかをチーム全体で共有する地図ベースのアプリです。ピンには自由記述のメモと写真を残せるため、打ち合わせで出た好みや要望、現地で撮った土地の様子までを顧客そのものに紐づけて蓄積することができます。見込み客とOB客を1枚の地図で扱いたいとお考えの工務店の方は、導入事例や機能の詳細を資料にてご確認ください。

見積ソフトは契約に向けて金額を固めるための道具で、営業アプリは契約に至るまでの関係を維持するための道具です。役割が異なります。工務店の検討期間は半年から数年に及ぶため、その間の接触履歴と、お客様の好みや価値観を残しておく場所が必要になります。すでに見積ソフトを使っている場合は、顧客情報をどちらで持つかの線引きを決めておくと、二重入力を避けられます。
年間の受注が10棟から30棟という規模ほど、1件の取りこぼしが与える影響は大きくなります。母数が少ないため、数を追って歩留まりでカバーする発想が成立しにくいためです。ただし入力に手間のかかる仕組みは繁忙期に必ず止まるため、スマホで数十秒あれば記録できるかどうかを選定基準に置いてください。導入前に、実際に入力する人が触ってみることをおすすめします。
料金を公開していないサービスが大半です。社数や利用人数、カスタマイズの範囲によって見積もりが変わるためで、比較には見積もりを取る必要があります。公開されている例としては、建築業向け業務一元型のサクミルが月額9,800円・初期費用0円(30アカウント込み)となっています。見積もりを取る際は、初期費用の内訳、課金単位、最低利用期間、既存システムとの連携可否、サポート範囲を揃えて聞くと横並びで比較できます。
引き渡し日と建物の仕様に加えて、点検の履歴、これまでの不具合と対応、そしてお住まいの位置を残しておくことをおすすめします。OB客との接点は、定期点検、メンテナンスやリフォームの提案、紹介の依頼、見学会の案内の4つが中心になりますが、いずれも近い順に回るのが効率的です。受注日順や五十音順の名簿ではこの判断ができないため、地図上で扱える形にしておくと打ち手が見えやすくなります。
関連記事:
リフォーム会社向け 成果を出すための営業支援アプリの選び方
接触の回数を増やすことよりも、間が空いても再開できる状態を保つことを優先してください。前回何を話したか、何に迷っていたか、土地の条件はどうだったかが残っていれば、数か月ぶりの連絡でも中身のある話ができます。とくに土地から探すお客様は土地が決まらないと前に進まないため、条件を把握したうえで動きがあったときにすぐ声をかけられる状態にしておくことが重要になります。
全国に販売網を持つ商社の営業組織で、大手CRM/SFAツールの導入を経験。既存の営業支援ツールが外回り営業の現場に最適化されていないという課題をきっかけに、株式会社DonDotを創業。外回り営業向けアプリ「Furoshiki(フロシキ)」を企画・開発している。プロパンブタンニュースやリフォーム産業新聞などの専門メディアにも取り上げられている。

半年前に問い合わせてきたお客様が、今どうなっているかを言えるでしょうか。
「去年の見学会に来られた方、そのあとどうなりました」
「連絡先は残っているはずなんですが、何を話したかまでは……」
こうしたやり取りが起きている工務店は少なくありません。注文住宅の検討期間は半年から数年に及びます。その間に必ず空白の期間ができ、そこで記憶が薄れたり顧客の状況がわからなくなり、次にどのようにコンタクトすべきかがわからなくなってしまいます。
工務店の住宅営業を支えるのは、接触の回数そのものではありません。間が空いてもスムーズなコミュニケーションを再開できる状態を保っておけるかどうかです。そしてそれは、受注したあとのOB顧客に対しても同じことが言えるのです。
見込み顧客とOB顧客を落とさないために何を残すべきか、営業アプリはどのタイプを選べばよいのか、費用はどのくらいかかるのかを、順を追って解説していきます。
>> 訪問営業に特化したマップアプリFuroshiki(フロシキ)について詳しく知る
まず最初にどのようなアプリがあるのか、全体像を見た上で、選定するポイントについて解説していきたいと思います。
工務店が検討対象にするツールは、大きく4つのタイプに分かれます。得意な領域がそれぞれ違うため、自社の課題に近いところから見にいくと遠回りせずに済みます。
タイプ | 得意な領域 | 代表的なサービス | 料金の公開状況 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|---|
A 訪問・エリアマップ系 | 見込み客とOB客の地図管理、訪問記録、エリアの可視化 | Furoshiki、cyzen、upward | Furoshikiは月額3,000円/アカウント〜 | OB客が増えてきた会社、見学会の集客に力を入れる会社 |
B 工務店向け顧客管理・CRM系 | 問い合わせからアフターまでの顧客情報の一元管理、ポータル連携 | マイホムビズ、パティオ、売り上げマネージャーOasis | 要問い合わせ | 反響の件数が多く、追客の抜けを防ぎたい会社 |
C 建築業向け業務一元型 | 顧客管理に加えて見積・原価・工程まで通して管理 | アイピア、サクミル、ANDPAD | サクミルは月額9,800円・初期費用0円(30アカウント込み)。ほかは要問い合わせ | 見積と原価の管理もまとめて整えたい会社 |
D エクセル+Googleマップの手動運用 | 追加費用なしで始められる | 既存手段 | 無料 | まず現状を整理したい段階の会社 |
料金は各社の公開情報を確認できた範囲で記載しています。ご覧のとおり公開していないサービスが大半です。多くのサービスは利用アカウント数やカスタマイズの範囲によって見積もりが変わります。最新の料金やサービス内容は、公式サイトで最新の条件をご確認ください。

タイプA・マップ系は地図をベースに顧客管理を行うことができます。地図上で物件に情報を紐づけることができ、外回りをする営業担当者にとっても扱いやすい点が特徴です。
タイプB・CRM系とタイプC・業務一元型は重なる部分がありますが、顧客管理を軸に選ぶならB、見積や原価まで含めて整えたいならCとなります。すでに見積ソフトを使っている場合は、タイプCでは機能が重複する可能性があるため、既存のツールとの使い分けを先に確認しておくことをおすすめします。
タイプDのエクセル・Googleマップの運用は、無料で始められる反面、顧客が増えるほど煩雑になり管理が難しくなるという側面があります。エクセルの行数が増え、Googleマップのピンが管理しきれなくなり、更新されないまま放置された結果、他の有償ツールを探し始めるというケースもよく見られます。
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【外回り・訪問営業を効率化】営業管理におすすめのツール・アプリ10選!利用料や使いやすさ、機能の充実度など徹底比較
上記のようなアプリがある中で、自社にあった営業管理や顧客管理を選ぶことが重要になります。一方で、皆様の中には他業種の営業手法をそのまま持ち込んでうまくいかなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。工務店の営業には、ツールやアプリの選び方まで左右する3つの特徴があります。
ひとつ目は、受注までの商談期間が長いことです。 多くの方にとって一生に一度、そして数千万円の買い物を即日で決められる人はまずいません。そして多くの方は後悔しないためにも、比較をしながら検討を進めていきます。信頼できる業者をいくつか選定し、半年から数年をかけて、土地を探し、資金計画を立て、他社と比べながらプランを固めていきます。営業の役目は、その長い期間のあいだ関係を切らさず、そして信頼を構築していくことになります。
ふたつ目は、母数が少ないために1件のインパクトが大きいことです。 年間の受注が10棟から30棟という規模の会社も少なくありません。母数が少ないということは、1件の取りこぼしが与える影響が大きいということです。数を追って歩留まりでカバーする発想が、そもそも成立しにくい構造なのです。
三つ目は、商圏が限られていることです。 施工には現場管理が伴うため、事務所から車で1時間圏内といった形で施工エリアが決まります。エリアの外から反響が来ても、受注できたところで移動と現場管理のコストで利益が残りません。どこまで追うかの線引きが、そのまま利益に跳ね返ってきます。

この3つを踏まえると、工務店の住宅営業に必要なツール・アプリの機能が見えてきます。案件をどんどん前に進めるのではなく、受注までの長い商談期間を通じて顧客とのコンタクト履歴や聞き取れた情報を蓄積し、顧客との信頼関係構築を実現するためのツールです。一般的な営業支援システムは商談を段階的に進める設計になっていますが、工務店における住宅営業で求められるものは少し違うところにあります。

受注までの長い検討期間のなかで、見込み顧客はどこで離れていってしまうのでしょうか。営業ツールやアプリを導入することで、このタイミングを捉え、必要な施策を講じる必要があります。
失注の理由は「他社に決まったから」というわかりやすい理由で片づけられがちですが、実際にはその手前に分岐点があると考える必要があります。
初回面談後の空白期間。 見学会や問い合わせで初回の面談をしたあと、次の接点まで数ヶ月空いてしまうことも多く、また場合によってそのまま関係が終わってしまうこともあります。
ここで連絡が途切れると、お客様の中で会社の印象は薄れていきます。担当者も、曖昧な記憶を元に連絡することになり、当たり障りのない内容になってしまいます。
土地探し。 土地から探すお客様の場合、土地が決まらない限り話が前に進みません。ここで放置してしまうと、土地を紹介してくれた不動産会社の提携先に流れていきます。土地の条件を把握したうえで、動きがあったときにすぐ声をかけられるか、継続的な提案を重ねながら顧客の状況も常にアップデートして把握しておけるかが分かれ目になります。
他社との比較検討。 相見積もりの段階では、価格だけでなく「この会社はこちらを理解してくれている」という感覚の積み重ねが信頼へとつながっていきます。過去に話した内容を踏まえているか、顧客の言語化されていない好みや価値観を捉えた提案ができるかどうかが、ここで選ばれるかの分かれ目になります。
これらの3つのタイミングで共通して重要なのは、顧客情報に基づいたコミュニケーションです。工務店の営業では、顧客情報をいかに積み重ねていけるかがポイントになります。そしてその中身が他業種とは少し異なるのです。
みなさまの顧客管理には、どのような情報が記録されているでしょうか。氏名、連絡先、問い合わせ日、対応履歴。これらももちろん重要ですが、それだけでは十分ではありません。
注文住宅の営業では、お客様の好みや価値観そのものが、最も大事な提案の材料になるからです。電気やガス、通信回線であれば記録すべきは契約内容や使用量といった事実ですが、工務店が扱っているのは、そのご家族がこれからどう暮らすかという話です。
具体的なポイント例をいくつか以下にまとめて見ました。
項目 | お客様の言葉 | 次の提案にどう効くか |
|---|---|---|
家族のこれから | 「数年後には子供部屋を作りたい」「実家が近いので、いずれ母を呼ぶかもしれません」 | 間取りの前提そのものが変わる |
好みと、避けたいもの | 「木の質感は残したいのですが、和風になりすぎるのは避けたくて」 | 積み重なるほど提案が外れなくなる |
暮らし方の希望 | 「キッチンから子どもの様子が見えるようにしたいんです」 | 図面を引く前に押さえないと手戻りになる |
予算の見方 | 「月々は今の家賃と同じくらいに収めたくて」 | 総額か返済額かを取り違えると噛み合わない |
誰が決めるのか | 「主人は性能を重視していますが、私は動線が気になっていて」 | 誰に何を伝えるかが変わる |
迷っている理由 | 「土地は気に入っているのですが、通学路が少し心配で」 | 次に何を用意すべきかが決まる |
真ん中の列を眺めていただくとわかるとおり、いずれもこちらから質問して引き出したというより、お客様との会話の中でふと出てくる言葉です。ヒアリングシートにそのまま項目としてあるものではありませんが、だからこそ記録として残しておかないと曖昧になり、気づけば忘れてしまったり少しずれた形で記憶してしまうことになります。
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工務店にとってOB顧客がどれほど大きな存在かは、みなさまが最もよくご存じかと思います。ただ一方で、属人化してしまったり、その場その場での思いつきの対応になっていたり、体系的に取り組めている会社は多くありません。
顧客との関係は物件の引き渡しで終わりになるわけではありません。定期点検があり、不具合の相談があり、10年、15年と経つうちに外壁や屋根、水回りの改修という次の受注が生まれます。住宅は信頼が重視される商材であり、その家のことを一番理解している実際に建てた工務店こそが最も頼られる存在なのです。OB顧客との信頼関係は、まさしく会社にとっての資産なのです。
そして問題なのは、多くの会社がこの資産であるOB顧客の管理を十分にできていないという点です。台帳やエクセルは存在しているのかもしれませんが、実際にOB顧客へコンタクトを取るとなった際に、すぐにその顧客の物件情報、そしてその顧客の好みや価値観などの情報を取り出すことができるでしょうか。
OB顧客との接点は、おおむね次の4つに整理できます。
OB客との接点 | いつ発生するか | 地図管理のポイント |
|---|---|---|
定期点検 | 引き渡しから1年、5年、10年の節目 | 1日に回れる件数が変わる |
メンテナンス・リフォームの提案 | 築年数に応じて提案の時期が来る | 同じ時期に建てたお宅は近隣にまとまりやすい |
紹介の依頼 | 決まった時期はなく、訪問のついで | 声をかける相手がエリア単位で見えてくる |
完成見学会の案内 | 近くで新しい現場が始まったとき | 現場の周辺にお住まいの方から声をかけられる |
見込み顧客の見学依頼 | 近隣エリアで検討する見込み顧客が発生した時 | 見学をお願いしたい先の候補をすぐにピックアップできる |
これらの接点は、OB顧客を地図上にマッピングしておくことで効率的に、漏れなく把握することができます。また単なる名簿リストでは見えなかった打ち手が、地図にすると見えてくることがあります。
特に近隣エリアで新たに購入を検討している見込み顧客の見学依頼をお願いするといった動きは、見込み顧客・OB顧客双方にとって関係を深めることができますが、実践できている工務店は多くはありません。
見込み顧客にとってはその工務店がどういった住宅を立てているかを知ることができ、またエリア情報や住んだ上での印象などOB顧客の生の声を聞くことができます。担当者にとってもOB顧客の生の声は、そのまま今後の関係構築や提案につながっていくのです。
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【訪問営業地図アプリ】訪問営業を効率化する地図アプリの選び方と活用法
では、実際にアプリを選ぶ際は何を見ればよいのでしょうか。上記で見てきたような工務店の前提を踏まえると、必要な要件は4つに絞ることができます。
問い合わせ段階の方、商談中の方、契約済みの方、引き渡し後のOB顧客。フェーズや担当部署が違うからといって別々の台帳で管理をしてしまうと、全体像が見えにくくなります。同じ顧客が段階を進んでいくだけだと捉え、顧客分類は行いつつも、同じひとつの場所で管理できる方が効果的、効率的な行動に繋げやすくなります。
いつ誰が何を話したかに加えて、先ほど挙げた顧客の好みや価値観までを残せるかどうかが重要なポイントです。必要な情報を選択式などで構造的に貯めること、そして自由に書けるメモ欄と写真があれば、打ち合わせで出た要望、現地で撮った土地の様子なども、その顧客に紐づけておくことができます。
エリアは自社にとっても顧客にとっても重要なポイントのはずですが、意外と軽視されがちです。そのエリアでどのような実績があるのか、検討しているエリアで見学できるOB顧客の物件はないか、エリアの子育て情報など話を聞けるOB顧客はいないか。これらは見込み顧客にとっては何より信頼できる情報になるはずですが、こういった機会を提供できている工務店はまだまだ少ないのが実情です。地図上でこういった情報を一目で判別することで、OB顧客は見込み顧客からの信頼を得るための大きな資産へと変わっていきます。
入力や運用に手間のかかる仕組みは、定着しにくくいずれ形骸化してしまいます。現場にとって負荷が少なく、そして入力したメリットが自分たちにもわかりやすく感じられるツールやアプリである必要があります。
>> 訪問営業に特化したマップアプリFuroshiki(フロシキ)について詳しく知る
工務店の営業アプリを選ぶうえで出発点になるのは、この業態における3つの特徴です。受注までの商談期間が長い、母数が少なく1件の取りこぼしが重いこと、そして商圏が限られていること。この3つがあるために、必要なのは案件を前に進める道具ではなく、長い期間のあいだ落とさないための道具になります。
また残すべき顧客情報は、氏名や対応履歴といった事実だけではありません。好きなテイスト、暮らし方の希望、予算の考え方、誰が判断するのか。こうした好みや価値観の蓄積こそが、顧客との信頼関係を築きあげ、他社との比較検討の局面で効いてきます。
そしてOB顧客との関係は、引き渡しでは終わりません。定期点検、メンテナンスやリフォームなど将来の見込み顧客になり、そしてこれからの見込み顧客との関係を築くための大きな資産になっていきます。
新規の見込み客とOB顧客を名簿リストではなく地図に紐付けて持つことで効果的かつ効率的な打ち手が見えるようになります。同じ地図上に置いておけば、新規開拓と継続的な接点を、地理的に無駄なく組み合わせて回していくことができます。
Furoshikiは、訪問先を地図上のピンとして扱い、誰がどこにいつ行ったかをチーム全体で共有する地図ベースのアプリです。ピンには自由記述のメモと写真を残せるため、打ち合わせで出た好みや要望、現地で撮った土地の様子までを顧客そのものに紐づけて蓄積することができます。見込み客とOB客を1枚の地図で扱いたいとお考えの工務店の方は、導入事例や機能の詳細を資料にてご確認ください。

見積ソフトは契約に向けて金額を固めるための道具で、営業アプリは契約に至るまでの関係を維持するための道具です。役割が異なります。工務店の検討期間は半年から数年に及ぶため、その間の接触履歴と、お客様の好みや価値観を残しておく場所が必要になります。すでに見積ソフトを使っている場合は、顧客情報をどちらで持つかの線引きを決めておくと、二重入力を避けられます。
年間の受注が10棟から30棟という規模ほど、1件の取りこぼしが与える影響は大きくなります。母数が少ないため、数を追って歩留まりでカバーする発想が成立しにくいためです。ただし入力に手間のかかる仕組みは繁忙期に必ず止まるため、スマホで数十秒あれば記録できるかどうかを選定基準に置いてください。導入前に、実際に入力する人が触ってみることをおすすめします。
料金を公開していないサービスが大半です。社数や利用人数、カスタマイズの範囲によって見積もりが変わるためで、比較には見積もりを取る必要があります。公開されている例としては、建築業向け業務一元型のサクミルが月額9,800円・初期費用0円(30アカウント込み)となっています。見積もりを取る際は、初期費用の内訳、課金単位、最低利用期間、既存システムとの連携可否、サポート範囲を揃えて聞くと横並びで比較できます。
引き渡し日と建物の仕様に加えて、点検の履歴、これまでの不具合と対応、そしてお住まいの位置を残しておくことをおすすめします。OB客との接点は、定期点検、メンテナンスやリフォームの提案、紹介の依頼、見学会の案内の4つが中心になりますが、いずれも近い順に回るのが効率的です。受注日順や五十音順の名簿ではこの判断ができないため、地図上で扱える形にしておくと打ち手が見えやすくなります。
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リフォーム会社向け 成果を出すための営業支援アプリの選び方
接触の回数を増やすことよりも、間が空いても再開できる状態を保つことを優先してください。前回何を話したか、何に迷っていたか、土地の条件はどうだったかが残っていれば、数か月ぶりの連絡でも中身のある話ができます。とくに土地から探すお客様は土地が決まらないと前に進まないため、条件を把握したうえで動きがあったときにすぐ声をかけられる状態にしておくことが重要になります。
全国に販売網を持つ商社の営業組織で、大手CRM/SFAツールの導入を経験。既存の営業支援ツールが外回り営業の現場に最適化されていないという課題をきっかけに、株式会社DonDotを創業。外回り営業向けアプリ「Furoshiki(フロシキ)」を企画・開発している。プロパンブタンニュースやリフォーム産業新聞などの専門メディアにも取り上げられている。

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